法人から個人成りした方が良い局面

個人事業主としてスタートし売上が順調に伸びてくると、法人成りを考える方が少なくありません。

しかし、法人になってからさまざまな理由で個人事業主に戻る、いわゆる個人成りすることもあります。

法人成りによって享受できるさまざまなメリットを放棄してまで個人成りするのは、どのような場合でしょうか。

個人成りする方が良い局面を知っておきましょう。

そもそも法人成りする理由として、ほとんどは節税対策の一環が挙げられます。

誰でも事業で所得を得るとそれに対して所得税がかかりますが、個人事業主の場合は累進課税です。

累進課税では、所得が大きくなるほど課される税金の金額もアップしていきます。

ところが法人の場合だと、法人税は一定の税率です。

したがって、一定の売上額を超えるのなら、法人の方が税制上課税額を少なくできます。

しかし、そのために法人成りしても売上が下がってくると、話も違ってくるのです。

一定以下の所得のときは、法人税よりも個人にかかる所得税の方が税金が安くなります。

売上が回復する見込みがない、もしくは事業を縮小するという場合は、個人成りした方が良いことも多いです。

また、法人には社会保険に加入する義務があります。

その際、法人が保険料の半分を負担しなければならず、この点も個人にはない法人ならではの出費です。

社会保険にはメリットがありますが、そのせいで資金繰りが苦しくなっては元も子もありません。

そのようなときも、個人成りを検討した方が良いでしょう。